2000.9.25.作成・9.27.訂正
2000年8月15日対局
第一回中将棋迷人戦一回戦第2試合
NILGIRIさん 対 三島のトドさん
<府内某所にて実施(しつこい)>
順番は逆になってしまいましたが、残るトーナメント戦の最後の一局をお送りします。
今大会(大会というほどのものでもないですが…)の一番の遠距離出場戦、北九州と名古屋決戦となりました。両者終盤まで白熱した展開となりました。
先手・後手とも歩兵を前進させ、まずは無難な立ち上がりです。
その中、後手三島のトドさんが銅将を11列に出しての棒銅にでます。
11八でまずぶつかり合いがありますが共に引きました。その後はどちらも陣形の固めに入っていますね。後手・三島のトドさんは11列で飛・竪・龍、さらには奔王が控える縦への強烈なライン作りへ、先手・NILGIRIさんは銀・銅・猛豹が左右どちらも前進するという鉄壁の防御を取っていますね。地味に見えますが、もともと使い勝手があまりよくない中将棋の小駒を序盤で有効なものにするのはすばらしい策です。
何とすごい布陣の巧みさを感じる内容でしょう。先手NILGIRIさんが玉将の周りを薄くして、その他の駒を前衛にまわすという鉄の守備をはる一方で、後手・三島のトドさんは125手目の図で三・四段目に横行を完璧に生かすラインを完成させています。ただ、11列の攻撃に後手優勢を感じさせるところに迷人の戦略勝ちを連想させられました。
本来なら中盤戦というところかとも思うのですが。12九・11八での応酬戦があって徐々に後手の形成有利な展開に動き出します。200手目の段階で後手側に角鷹一枚分の得があるのですが、どちらも獅子があるのでまだまだ油断が出来ないところです。
何と、219手目、9八龍馬の王手に気づかず鳳凰の成りに急いでしまったNILGIRIさんがまさかの8五鳳凰、6十一龍馬での「突き落とし」が出てしまいました。
これこそ現代将棋にはありえない、中将棋ならではのルールにまんまとはまってしまったという結果に終わりました。